結婚式までの道のり
結婚式を迎えるまでに、本当にたくさんのことがあった。
両親に挨拶に行ったり、疎遠になっていた友人と久々に再会したり、
お互いを労われずに、喧嘩したこともあったけど、無事に仲直りもして、新しい発見もあった。
目まぐるしく過ぎていく時の中で、ふと気づいたことがあって。
彼女といるのが居心地がよくて、なんて言ったら言い訳に聞こえるだろうか。
一緒に過ごすことがあたりまえになってしまったこと。
口下手なりに、今まで好きだとか愛してるの類の言葉はそれとなく言ってきたけど、
いつの間にか言わなくても伝わるなんて思ってた部分もあって、大事な言葉を、なんとなく避けてきたこと。
だから今日この日に、彼女に伝えたい。ということ。
何も知らない彼女に、そわそわと、終盤に近づくにつれて落ち着かなくなっていく僕。
彼女の両親が見てるのも、ちょうどいいプレッシャーかもしれない。
着慣れないタキシードは口下手な僕を少しだけ饒舌にしてくれた。
ふたりの思い出の曲に乗せて、今日までずっと言えなかった言葉を紡ぐ。
彼女の好きな花を背中に隠して。